夢を見た。
今までの人生で出会った嫌な人間ばかりを集めた集団で義理のお葬式に行く。私はその集まりがお葬式だということを知らずに呼び出されていて、ひとりだけ平服を着ている。
集団を率いているのは、訴えられるべきことをやらかしておきながら「どこかに届けたりしたらきみ、誰に迷惑がかかるかわかってるね?」みたいな脅しをかけてきたどうしようもない男で、私の服装を見てちっと舌打ちし、「買ってこい」と言う。
私は葬儀場の三軒先にある服屋に走る。喪服はどこですかと訊くと、たしかに知り合いなんだけれど思い出せない、胸がふさがるような嫌な感じを与える店員がにやにや笑って「ご自身で探されるのが普通ですよ?」と言う。
私は走り回って探す。広大な敷地の中にキャスタつきのハンガ台が点在していて、遠くから見ると黒っぽいのだけれど、どれも喪服ではない。ようやくそれらしいものを見つけ、背中に共布のリボンがついていることを怪訝に思いながらも着てみると、異常に大きい。タグを見るとたしかに私のサイズなのに、肩が二の腕までずり落ちてくる。私が子どもの頃から家に来るたびに酌をさせて尻を撫で回していた叔父が、ガラスのドアの向こうで缶入りの発泡酒を飲みながら嬉しそうにこちらを眺めている。
高校の体育の時間に私の円形脱毛症を見つけてげらげら笑った男(高校生のまま)と、大学生のときに「えらいねー。私があなたみたいに何も持ってなかったら恥ずかしくて死んじゃう」と面と向かって言った女(やっぱり当時の年齢のまま)が交互に「あと何分でお葬式」とメールを送ってくる。
私はホールのような部屋の隅で雑誌を読んでいる店員のところに全力疾走して、ちゃんとした九号の喪服をください今すぐ今すぐよこせと泣きながら怒鳴る。自分の声で目をさます間際、店員の顔が誰の顔だったか思い出し、そして、目が覚めるとそのことを忘れてしまう。